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それでも「生きろ」と?それでも「生きろ」と?

宇宙戦艦ヤマトは進み続ける。人類の未来を守るために……。

帝星ガトランティスとの果てしなき物量の激戦を経て、大いなる代償と引き換えに困難な高次元領域からの帰還を成し遂げたヤマトと古代進。しかし宇宙には、新たな戦乱が待っていた。

本作は1979年に高視聴率を獲得したテレビスペシャル『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』以後の要素を一挙に結集!「ヤマトの次世代クルー」「銀河レベルでの星間戦争」を核として、徹底的な再構築に挑む。

徳川太助や土門竜介ら新クルーの参加、意外な旧クルーの乗船、文字どおり人類の命運を背負って生きのびた古代進の苦悩と、ドラマ面でも深みを増していく。ガミラス、イスカンダルの二連星を見舞う悲劇、ボラー連邦と謎の黒色艦隊とデスラーの軍勢との抗争を皮切りに、一大宇宙叙事詩が展開する。

人の希望と尊厳を追及する「新たなる旅立ち」が、ここに始まった!

文◎氷川竜介(アニメ特撮研究家)

─── MESSAGE ───

製作総指揮/著作総監修西﨑彰司

ファンの皆さんの多くが熱狂した「さらば宇宙戦艦ヤマト」を新たな解釈で、正義と愛を描いた「2202」、それに続く「2205」。

福井さんはキャラクターの心を掘り下げ追いかけ、一貫した心の成長を描く達人だと思います。福井さんが織りなす物語を演出する安田監督の絵コンテから伝わる世界観、これまでにないヤマトへのアプローチに、早く試写を見たくて、なぜか少し緊張しながらワクワクしている自分がいます。

監督安田賢司

リアルタイムではヤマトを体験しなかった世代ではありますが、今回新たに監督として参加することになりました。改めて旧シリーズ、リメイクシリーズを見て、知っていくにつれヤマトの奥深さとファンの熱量を感じ、身を引きしめて制作に臨んでおります。

今シリーズではファンのツボを押さえつつ、一方で「そう来るか!」といった驚きも用意されております。

また、古代たちの下の世代である新クルーの活躍と成長も大きな柱です。

まさに『新たなる旅立ち』新たなる展開と新たなるキャラクターたちの息吹をご期待ください!

シリーズ構成/脚本福井晴敏

こんな時代に、ではなく、こんな時代だからこそ、ヤマトは新たなる旅へと出発します。

それはかつての『新たなる旅立ち』と似た道筋をたどっているように見えながら、より重く、より辛く、より痛切な旅路となります。『〜2202』までで描かれた事々を取り込み、現代の鑑賞に耐えるよう物語の解像度を引き上げた結果ですが、理由はそれだけではありません。登場人物らが直面する苛酷な運命、二律背反によって引き裂かれる感情、その中から浮かび上がる各々のたったひとつの心情――その痛みと辛さを我が事と重ね合わずにいられない、そういう時代を我々が生きているがゆえに、ヤマトの今次航海は重いのです。

現実の憂さを晴らすためにひたすら痛快なフィクションが求められる一方、現実を客体化し、見つめ直し、生きるための縁となるフィクションもまた求められています。『宇宙戦艦ヤマト』とは元来、後者の草分けであったという確信に基づき、かつてとは似て非なる「新たなる旅立ち」がいま始まります。その先に待つものは――我々が生きる現実と同様、未知と辛苦と可能性を内包する〝無限に広がる大宇宙〟でありましょう。

アニメ特撮研究家氷川竜介

出し惜しみは無し! そう腹をくくったかのようなスタッフの意気ごみに、まず感激しました。『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』を経た1979年以後も作られた「続編」の諸要素。それらを総点検してピックアップし、なおかつ『2199』『2202』で描かれてきた新要素も無視せず、リブート後の「第3作目」としてあくまでも誠実であろうということでしょう。困難を前にしても首をうなだれることなく、先の見えない茫漠たる宇宙にむしろ希望を求め、手を取りあって一歩ずつ前に進む。各自でやれることを持ち寄って……。新型ウイルスで全世界規模のダメージを受けて以後、人びとに歓迎される「物語」には、こうした普遍的な姿勢があると感じています。この「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」の登場人物、スタッフたちにも共通する姿勢があることを、とても嬉しく誇りに思います。

─── ヤマトシリーズ年表 ───

  •  1974年 10月
    テレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』放映・全26話
  •  1977年   8月
    劇場用映画『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』公開
  •  1978年   8月
    劇場用映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』公開
  •  1978年 10月
    テレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』放映・全26話
  •  1979年   7月
    テレビスペシャル『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』放映
  •  1980年   8月
    劇場用映画『ヤマトよ永遠に』公開
  •  1980年 10月
    テレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマトⅢ』放映・全25話
  •  1983年   3月
    劇場用映画『宇宙戦艦ヤマト 完結編』公開
  •  1995年   2月
    オリジナルビデオ『YAMATO2520』第1巻発売
  •  2009年 12月
    劇場用映画『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』公開
  •  2010年 12月
    実写映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』公開
  •  2012年   4月
    『宇宙戦艦ヤマト 2199』第一章劇場上映(全七章)
  •  2013年   4月
    『宇宙戦艦ヤマト 2199』TV放映・全26話
  •  2014年 10月
    『宇宙戦艦ヤマト 2199 追憶の航海』劇場上映
  •  2014年 12月
    劇場用映画『宇宙戦艦ヤマト 2199 星巡る方舟』公開
  •  2017年   2月
    『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第一章劇場上映(全七章)
  •  2018年 10月
    『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』TV放映・全26話
  •  2021年 6月11日
    『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』劇場上映
  •  2021年 10月8日
    『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』前章 -TAKE OFF- 劇場上映(全二章予定)
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