有人型として設計、完成された初期アンドロメダ級の21番艦アルフェラッツは、熾烈を極めたガトランティスとの戦いの後、大規模な修繕を受け、現在は第十一番惑星周辺に漂うガイゼンガン兵器群カラクルム級戦闘艦の監視任務を与えられている。
ガトランティス戦役後に鹵獲したガイゼンガン兵器群を調査した結果、これらが既知のガトランティス艦と大きく異なっていることが判明した。ガイゼンガン兵器群はテレサのエネルギーを得て活性化した〈滅びの方舟〉内で生み出されたものであり、〈滅びの方舟〉の一部と見做すべきとの意見も出た。
地球・ガミラス連合艦隊との戦闘と、〈滅びの方舟〉が起動時に吸収したことで、土星軌道から内側のガイゼンガン兵器群で無疵のものはほぼ存在していなかった。しかし、第十一番惑星周辺にはヤマトが波動共鳴によって機関停止させたカラクルム級戦闘艦が大量に残されていた。
防衛軍は残存する波動砲搭載艦で短期間のうちにこれらを掃討することは難しいと判断、第十一番惑星周辺を監視海域として警戒のため艦隊を常駐させることを決定、監視艦隊を編制した。
艦隊はアルフェラッツを旗艦とし、パトロール艦、護衛艦で構成されている。
この海域は〈ガトランティスベルト〉の通称で呼ばれているが、第十一番惑星が太陽系の外縁に位置することから、頻繁にボラー連邦からの領海侵犯を受けている。そのため、この艦隊は他の星間国家からの領海侵犯を警戒するための巡視艦隊の任務も与えられている。
なお、一説には、第十一番惑星周辺のカラクルム級を処分しないのは軍の公式見解にすぎず、古代アケーリアス文明の遺産として研究対象とするべく残しているのではないかと見る向きもある。
グランドリバースとの遭遇後、通信が途絶えていたアルフェラッツならびに2隻の艦は、イカルス天文台を発したヤマトとアスカによって〈ガトランティスベルト〉を漂流中のところを発見された。
乗員全員の無事こそ確認されたものの、彼らは認知能力が極度に低下した状態となっていた。これは真田志郎二等宙佐の仮説によれば、「重核子爆弾」の影響であり、脳内のシナプスネットワークが初期化されたたためであった。
シナプスネットワークの初期化は人間の認知能力を奪う。しかし、初期化直前までの意志を持った行動の記録は海馬には蓄積されている。前頭葉の機能低下により大脳の記憶を用いた行動は不可能となるものの、乗員たちの食事や排泄など、生命維持に関わるルーティンな行動は小脳が海馬の短期記憶を参照することで行われれていた。これは、生命維持のために脳機能が海馬へ前頭葉の機能を一時的に代替させ、小脳との間に高度な神経回路再編成(ニューロプラスティシティ)を行い、二つの領域が補完的な役割を果たしたためと考えられる。