デザリアムの巨大移動要塞。
各部に武装を備えるほか、ゴルバ同様に位相変換装甲を持ち、波動砲の集中砲火にも耐える
太陽系に侵入後、波動共鳴機雷原や防衛艦隊の阻止作戦を突破し、新都郊外の荒野に降着した。
降着時には胴体部を囲むように持つ8本の脚を展開、下部中央に備えた突起を超振動させることで地面を穿ち、地中深く突き刺さる。脚部は防御脚としても使用され、多数のビーム砲を備える。また、触手状のプローブを複数持つ。
波動エンジン(ゲシュ=タム機関)を一時的に停止させる波動共鳴機雷の影響が皆無であったことから、グランドリバースの動力は波動エネルギーとは異なると推測される。
新都をはじめとして世界各地へ降下したデザリアムの地球制圧作戦の司令基地の役割を担う。
また、「視床の間」と呼ばれる広間には「大喪失」を免れた歴史的遺産が飾られ、地球政府要人との会見もここで行われている。
上部(星間移動時には先端となる)に位置するドーム状の部分はときおり、赤く発光する。この発光現象時に発生した未知のレプトンの放出により、アルフェラッツを旗艦とする監視艦隊の乗員の脳機能は大きく低下することとなった。このことから真田志郎二等宙佐はグランドリバースが重核子爆弾としての機能を有していると推測するに至った。
重核子爆弾は人間の意識を喪失させる装置である。作動時には重核子に中性子ビームを照射し、プラズマ状態を作り出すことで中性レプトンを放出する。このレプトンは物質を透過し、脳内の電荷と反応して陽レプトンを発生させ、電磁相互作用を引き起こす。このエネルギー量はシナプスの電荷量に極めて近く、脳を狙い撃ちにする形で作用し、結果、シナプスネットワークの活動を破壊し、脳の情報処理を停止させる。意識は脳の特定部位ではなく、脳内のシナプスネットワーク全体で形成されるため、重核子爆弾は人間の記憶を保持しながら意識を失わせることができる。
ただし、発光現象自体は未知のレプトンの放出によるものではなく、重核子爆弾としての機能を発動させるエネルギーによるものと考えられる。