グロデーズ級殲滅型戦艦は、2205年のイスカンダル移送計画時に地球・ガミラス連合艦隊と交戦した際のデータを基に、マザーデザリアムによって開発されたデザリアム軍の最新鋭艦である。従来のデザリアム艦と異なり、地球やガミラスの艦艇に類似した船体形状を持ち、艦首にはエネルギー発射装置「無限ベータ砲」を装備している。これらは特に宇宙戦艦ヤマトの影響を受けた設計である。
スカルダートの語る歴史では、波動エネルギーの放棄と〈大喪失〉によって旧時代の記録は失われていたが、ヤマトとの遭遇により「宇宙艦隊」という概念を再発見するに至った。これにより、グロデーズ級は戦艦としてのみならず、艦隊運用の中心を担う司令艦としても設計されている。
旧来のゴルバが担っていた指揮機能を引き継ぎ、小型化されたキャプチャーフィールドを備え、波動砲にも耐える位相変換装甲、ステルス機能などが盛り込まれた。さらに、推進装置には3枚の整流フィンを備えた補助ユニットが追加され、プレアデス改級を凌駕する高機動性を実現している。
艦内のブリッジは司令部機能を強化する仕様で、床面全体に設置されたスクリーンにより、艦長は艦隊全体への直接指示が可能。
これらによりグロデーズ級は単なる戦艦を超えた、いわば小型ゴルバというべき存在となっている。
〈無限ベータ砲〉
無限ベータ砲は、量子場操作と重力変調により次元境界面を解放し、次元断層を発生させる。このとき、次元断層を通じ、通常空間と亜空間の間に生じたエネルギー勾配が急激なエネルギー流出を引き起こすが、次元境界面の自己修復作用で断層が閉じ、通常空間に回帰するエネルギーが真空崩壊寸前の状態を誘発する。これは亜空間で分散しているエネルギーが通常空間へ戻る際に位相が一気に揃い、局所的にエネルギー暴走が発生するためである(超伝導状態から通常状態に戻る際の「クーパー対の崩壊」に似た現象)。しかも、次元断層の閉鎖は真空エネルギー変動を引き起こすため、射軸上の空間のエネルギー密度が急上昇し、真空崩壊の一歩手前という特殊なエネルギー状態からエネルギー爆発が誘導される。
無限ベータ砲は、通常空間(α空間)と亜空間(β空間)間の次元境界面を連鎖的に開放し、波動砲に匹敵するエネルギー爆発を発生させることから、その名に「無限」を冠している。