円盤戦闘機アルクティア

イスカンダル移送計画時に遭遇した過去の地球、ガミラスの戦力は、デザリアムの兵器・戦術体系に大きな刺激となった。〝大喪失〟によって失われた過去の技術的蓄積をまのあたりにしたデザリアムは波動エネルギーに根ざさない技術については、これを積極的に取り入れようと試みた。その結果が戦艦においてはグロデーズ級殲滅型戦艦グロデーズ、戦闘機においてはアルクティアである。
戦闘機というサイズ的なものもあり、襲撃戦闘機カタピラスのエネルギー出力は低く、使用できる位相変換装甲のレベルも決して高いものではなかった。一方で、位相変換装甲を持たないながらも地球・ガミラス両軍の戦闘機は空戦性能の高さによってカタピラスと互角以上に渡り合った。このことからデザリアムはこれらの戦闘機の特性を盛り込んだ新型戦闘機の開発を行った。
たとえば、円盤状に左右に広がる翼の中央部には大気圏内での空戦を想定し、ドッグトゥースが設けられた。ドッグトゥースは高速での機動や急激な操縦時における安定性を向上させるが、宇宙での戦闘と、環境の激変した地球での運用が主体となっていたデザリアムはイスカンダル移送計画で23世紀の航宙機と交戦するまでこの技術を過去の遺物とみなしていた。
コクピット内のシート左右には操縦デバイスが装備されている。機体の運動は操縦者の両手で感圧制御され、搭載兵装の使用はデバイスの周囲に設けられた操作スイッチで行われる。機体の高い機動性がカタピラス同様に操縦者に複雑なGを与えるが、〈ホモ・デザリアム〉であるアルフォンたちには許容範囲の負荷にすぎない。
主兵装としては惑星制圧仕様とされた襲撃戦闘機カタピラス同様、触角状の小型ビーム砲塔を装備する。本機は複座式であり、小型ビーム砲塔内に射手が搭乗する。ただし、アルフォンの隊長機のみ、コクピットから小型ビーム砲の操作が可能な単座式となっている。これはアルフォンが一般兵よりもパイロットとして優れた能力を有するため、単独での運用のほうが高い戦果をもたらすと判断されたことによる。

  • 全長 : 17.0m (ポッド展開時20.5m)
  • 乗員 : 一般機2名 アルフォン機1名
  • 武装 : 
    • 小型ビーム砲 × 1
    • 12.7mm機関銃 × 4
    • 30mm機関砲 × 2
    • 航空爆弾 × 2
    • ミサイル × 4