波動実験艦銀河は月の復興作業での役割を終え、現在、旧土星軌道の〈歎きの海〉で土星修復作業にあたっている。
かつて、ガトランティス艦隊と地球の波動砲艦隊の間で激しい戦闘が繰り広げられた土星沖の海域は、ガトランティスの反物質を利用した大型ミサイルと、地球側の波動砲の応酬、さらには相転移次元跳躍によって現れた白色彗星によって甚大な被害を受けた。
ガトランティス戦役終結後、4年を経てなお、土星を中心とした海域はかつての様相とはほど遠い。銀河は土星修復船団の中核として、周辺海域に散らばった土星の構成物質を集め、再構築するべく活動しているが、土星再建には遠大な時間が必要なのは、誰の目からも明白であった。
また、装備されている一切の砲熕兵器が使用できない状況に変わりはない。これは銀河に搭載されたコスモリバースシステムが艦の制御システムにまで影響を及ぼし、火器管制システムを停止させていることによる。