ヒュウガは戦艦としての機能と空間機・航空機の母艦としての機能を持つ多機能複合型標準戦艦構想のもと、「戦闘空母(戦闘航空間機母艦)」として建造された。もともと、アスカ級補給母艦アスカ同様、時間断層内で建造途中で放棄された無人型のドレッドノート級主力戦艦を用途変更して完成した艦であり、平和路線を謳う第四次防衛計画の下で建造が進められたため、独立した艦級を与えられず、「ドレッドノート改級」とされていた(軍組織内の書類上は「ドレッドノート改ヒュウガ級」と記載)。しかし、ボラー連邦からの頻繁な領海侵犯という状況を受け、地球防衛軍の方針も現実的なものとなり、ヒュウガの二番艦建造に伴って、「ヒュウガ級」が新設される運びとなった。
なお、航空間機母艦の呼称はガミラス戦争以前の国連軍時代の区分に拠る。かつて小型宇宙機は宇宙艦船系の「宙艇」と宇宙航空機系の「航空間機」に大別された。大気圏内の航空機と宇宙空間の宇宙機両方の活動領域を持つ航空間機は、内惑星戦争期に急速に発展したものである。2207年現在、航空間機は運用上は空間偵察機のように「空間機」と分類されるが、本格的な「空母」建造にあたり、宇宙海軍側へ、空軍から発達した宇宙軍が航空間機母艦の呼称を制式名称として要請した経緯がある。
ちなみに、星間国家として長い歴史を持つガミラス軍では大気圏内外で運用可能な機体が多く、地球のような航空機と空間機の厳密な区分はなく、「航宙機」と一括している。
ヒュウガ級戦闘空母ヒュウガは、グランドリバースの太陽系侵入の際、火星軌道において第28護衛隊の1隻として迎撃に参加。アンドロメダ級宇宙戦艦やドレッドノート級主力戦艦と共に、グランドリバースに対し拡散波動砲を使用した。ヒュウガは同時期に就役したアスカと異なり、艦首にベースとなったドレッドノート改級の波動砲を搭載している。しかし、この攻撃はグランドリバースの備える位相変換装甲の前には無力であり、防衛線の突破を許すこととなった。
なお、両舷の12.5センチ連装陽電子衝撃砲塔はガトランティス戦役時のパトロール艦に搭載されていた三連装陽電子衝撃砲塔と同タイプのものである。
『オペレーションDAD』の発令後は、第28護衛隊の僚艦と別れ、地球にいる旧第65護衛隊のクルー回収任務に就いた。回収後はイカルス天文台へ向かい、長官直轄特別任務隊の一翼を担う作戦だったが、任務遂行中、デザリアム艦隊の出現により拿捕され、作戦は失敗に終わっている。