『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』/『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』TAKE OFF ヤマトーク
劇場:新宿ピカデリー
日時:2021年6月29日(火)
登壇者:安田賢司(『宇宙戦艦ヤマト2205』監督)、福井晴敏(同作シリーズ構成・脚本)、岡秀樹(同作脚本)
6月29日(火) 新宿ピカデリーにて、『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』上映後に、10月8日(金)から上映が始まる次回作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』のスタッフトークイベントが催された。
最初に登壇したのは、『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』で構成・監修・脚本を務めた福井晴敏と、脚本協力として参加した岡秀樹。オープニングトークでは、上映開始から3週目を迎えた今作への感慨を語りつつ、全国5館で1週間の上映延長が決まったことを発表した。
福井は「これから、いよいよ『2205』が発進します。」と述べ、9分20秒にわたる『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』のオープニングタイトルまでの冒頭映像が上映された。岡は「ここまでしか見せてくれないの!?」と、多くの驚きと謎が散りばめられた映像にファンの気持ちを代弁した。
そして、いよいよ安田賢司監督が登壇し、『2205』の深堀りへ。岡からの「ヤマトについての最初の印象や、今の気持ちは?」という質問に対し、安田監督は「自分はヤマトの世代ではなかったが、あえてヤマトを知らない人に、新しい気持ちで作ってほしいという話しをもらいました。」と、監督を務めるに至った経緯を説明。「蓋を開けてみると、知らないといけないことが膨大で、最初は勉強から始まりました。」と、当初の苦労を語った。
福井は、ヤマト愛が深いスタッフに囲まれた『2202』では、バランスを取るため一歩引いた立場で作っていたのに対し、『2205』ではその姿勢が大きく変わったという。「“すごいヤマト”を作るよりも、“すごい物語”、“面白い映画”を作ることに注力できる、ヤマトに過剰な思い入れを持っていない人に参加して欲しかった」と語り、望み通りの逸材と安田監督を称賛しつつ、「逆にヤマト成分が不足しないように、“俺はヤマトのここが好きだ”という思いを噴出させましたね。」と、自身の世代である旧作『新たなる旅立ち』への思い入れが『2205』に詰まっていることを明かした。
『2199』や『2202』との違いについて、安田監督は「『2205』は過去シリーズに比べ全二章の短期決戦。密度の高いシナリオを、今までとは異なるテンポ感で絵コンテに落とし込む必要がありました。」と語った。それに対し福井は、「『2202』は旧作当時のテンポ感を意識したが、『2205』は現代のアニメとして中身を濃く、カット数を増やさなければならなかった。安田監督は最初にそこに着目していました。」と、制作当初の様子を語った。その後、安田監督は「過去シリーズへのリスペクトも忘れず、時間を取るところは取るテンポ感に緩急をつけています。」と付け加えた。ここで、『2205』本編から、安田監督が選んだ約70秒のシーンを追加で上映するサプライズ。映像を見た岡が「皆さん、例のあの場面が、2021年に帰ってきました。」と言い、観客は拍手で応えた。
最後は、福井、安田監督、岡から一言ずつの挨拶で、イベントを締めくくった。
●福井晴敏
「スタッフが改めて、ヤマトの制作カロリーの高さを再確認しつつ作業しているところですが、その価値や結果は間違いなくスクリーンに顕れると思いますので、10月まで、お元気に、楽しみに待っていただければと思います。」
●安田賢司監督
「本日はありがとうございました。まずは前章を全力で制作中ですが、後章含め『2205』は旧作の単なるリメイクという枠に留まらず、いろんなことが起こります。旧作と比較した上での驚きではなく、オリジナル作品としてご覧いただいても驚きにあふれたお話になっているので、楽しみにしていただければと思います。」
●岡秀樹
「このイベントは急きょ組まれて、皆さんも急きょ参加してくださったと思います。足を運んでくださいまして、スタッフ一同感謝しております。ありがとうございました。」