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2024.08.08 SPECIAL REPORT

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略』
ヤマトーク レポート

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略』
ヤマトーク レポート

■日時:8月7日(水)
■登壇者:福井晴敏(総監督)、ヤマトナオミチ(監督)、岡 秀樹(脚本/進行)
     羽原信義(「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」監督)


公開3週目を迎え、急きょ開催が決まったこの日の「ヤマトーク」だが、チケットは完売。外は大雨だったにもかかわらず、会場には大勢のヤマトファンが集結した。そんな観客を前に福井も「ありがたいことに、面白かったと喜んでいただいている方の声が多くて、まずは良かったなと。われわれとしては、(11月22日に上映開始予定の)第二章を間に合わせられるのかということを、毎日考えながら生きているので。第一章を観て、喜んでくださった方を失望させちゃいけないなと思っております」と気合いを入れ直している様子だった。


この日は「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」監督の羽原信義も参加。本作で福井が総監督に就任したことについて、「やっぱりなと思いましたよ。福井さんは映画も大好きですし、やった方がいいんじゃないかと。ここまで来たら責任をとった方がいいと思っていました」と笑う羽原は、「それで、このフィルムですから。試写会で観て、たぎりました。いちヤマトファンとしてホッとしました。めちゃくちゃ丁寧につくっていますよね。人の機微、演技のタイミング、相当練り込まれているなと思いました」と振り返った。


12年に渡り受け継がれてきたリメイクシリーズ。羽原とヤマト監督は“福井が書いたシナリオ”を映像に落とし込んできた、という共通点を持つが、そのことについてヤマト監督は「とにかく情報量が多いので、お客さんに伝わるように調整の日々……。」と映像制作の大変さを語る。それを受けて、福井は「コンテを描いている方が言っていたのが『福井さんの脚本は、余計なことをしなければ(時間内に)おさまる』と。その人は見抜いていましたね」と語る。『2202』シリーズ以来の脚本を担当する岡も「するどいですね。福井さんは、文章の時点で映像が完成しているので、そのままやれば時間通りに完成する」と指摘。羽原も「福井さんの脚本は行間がすごい。この絵とこの絵の間にこんなことがあるなと思い、入れていったら長くなる。僕は音楽に合わせたいので、どんどん見せていくと長くなってしまう」と述懐。福井も「倍速再生ができなくしてやろうというくらいに詰め込んでいますね」と笑ってみせた。


この日はファンから募集した質問を登壇者たちにぶつけることに。「あの高所から落下してなぜ雪は死んでないんですか?」という質問に、「それは原作にあるから」と笑った福井は、「それは自分も、原作を観てなんでだろうと思ったので、第二章ではその理由を明らかにいたします。ショボンとなっている古代に向かって、ある人が『あれがこうだから、きっと森さんは…』と話しかける。古代は聞こえているのか、いないのか、『ありがとう』とひとり消えていくシーンがあります。」と今後の展開を交えて解説。


その後も「真田さんにサーシャを育てる生活力があるのでしょうか?」「古代は藤堂から分厚いファイルを渡されていましたが、なぜ紙なのでしょうか?」など、ヤマトファンならではの鋭い質問が次々と寄せられ、それに対して福井、ヤマト監督たちならではの考察が次々と披露された。

そしてこの日の観客のために「お土産コーナー」ということで、今後登場する戦艦について、先出し情報を。まずは「グロデーズ」のデザインがスクリーンに映し出された。原作ではクライマックスに登場したが、『3199』では第二章から登場する予定だという。デザインを担当した明貴美加からは「原作でもヤマトを追い詰めた強敵。ほかの艦とはまったく違ったシルエット。隠された秘密兵器、無限ベータ砲という特長を押さえつつ、福井さんの要望で、ヤマトのライバル艦に育てたいという期待に応えられるよう、工夫を凝らしています」というメッセージもあったが、福井も「ヤマトのライバルです。ランベルという艦長をはじめとしたレギュラーの人も乗せて登場します。思えばヤマトって、今までシリーズを通じてライバルみたいになるような敵艦はいなかったですからね」と解説した。

さらにこの日はもうひとつ。「宇宙戦艦ヤマトⅢ」に登場した「アリゾナ」の名を冠したメカデザインも観客に披露された。福井も「第二章で気配がして、第三章でついに……と。ただこれはシリーズ全七章を通してのお楽しみにしていただくのがよいと思いますね」と期待をあおった。そしてデザインを担当した玉盛順一朗からは「誰が見てもカッコいい艦・アリゾナ。でもまったく活躍できずに消えていった艦。その悲劇と無念は『さらば宇宙戦艦ヤマト』のアンドロメダ以上です。僕はアリゾナの無念を晴らしたかった。出渕(裕)さんが若き日にデザインしたその魅力を100%尊重しつつ、リメイクシリーズに存在する艦として全力で命を吹き込みました。ヤマトさん、福井さん、アリゾナをよろしくお願いします!」とメッセージも。福井も「もちろん波動砲とか外から見て分かる武器もありますが、驚くべき秘密兵器も搭載しています。今まで見たことがあるような、ないような兵器もあります」と期待感をあおるも、ヤマト監督は「ただ、まだまだ先の話ではありますが」と笑ってみせた。

そして最後に羽原が「僕は出渕裕監督から引き継いだのですが、いろんな監督のヤマトが観れらるのがうれしいなと。ヤマトファンでよかったなと思っています。『3199』も丁寧につくられていたので、最後まで皆さんと伴走していきたいと思います」と語ると、ヤマト監督も「シリーズも何せ12年ですから。僕の何倍も観ているようなお客さんが多い。失礼のない映像を出せるように必死にあがいているので、今後もよろしくお願いします」とあいさつ。福井も「こうなったからにはやれることはすべてやって、お届けしたいと思います」と観客にメッセージを送った。
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