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2025.04.14 SPECIAL REPORT

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』
上映記念舞台挨拶レポート


■日時:4月12日(土)12:00~12:30 ※上映後舞台挨拶
■場所:丸の内ピカデリー
■登壇者:
 潘めぐみ(サーシャ 役)
 久川 綾(新見 薫 役)
 畠中 祐(土門竜介 役)
 上村祐翔(揚羽 武 役)
 福井晴敏(総監督)
 吉田尚記(進行/ニッポン放送アナウンサー)

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大勢のファンが集まった会場には、背中にサーシャのイラストがプリントされた劇場グッズの法被 【サーシャ推しver】を着たファンの姿がチラホラ。さらに福井総監督も同じ法被を着用して登壇していたことから、潘も「何やら水色の乙女の法被を着ている方が客席にも、壇上にもいらっしゃいますね」と笑顔を見せた。

『宇宙戦艦ヤマト2199』から、ヤマトクルーの新見 薫役で出演している久川はこの日がヤマト関連イベントで初の舞台挨拶登壇となる。だが実は第三章には出演シーンがなかったということもあり、「どうしよう、わたし第三章に出てないのにここにいていいの?」と嘆く久川に、藩も「そう言ったら私も一言だけですから。一緒に頑張りましょう!」と返すなど和やかな雰囲気に包まれた会場内。


 そんな久川だが、実は「宇宙戦艦ヤマト」という作品への思い入れはひときわ強いのだとか。「子どもの時に「ヤマト」 を観ていた時に、最後のエンドクレジットに『青二プロ』の名前があって。ここに入ればいいんだと思って、青二塾に入りました。だからヤマトがなかったら、絶対に今の自分はありません」。それゆえ、ヤマトのクルーとして参加していることに「ビックリですよ。作品を楽しむどころか、子どもの頃に観ていた『ヤマト』の舞台挨拶に立つなんて、感無量です。あの時の自分に教えてあげたい。あの時、セリフを勉強するために潘 恵子さんが演じたサーシャのセリフを一生懸命練習していたんです。他の作品でも、潘 恵子さんにかわいがっていただいてお世話になったんです。そのサーシャをめぐみちゃんがやっていて。新見がサーシャの面倒を見るということで、本当にすごいこと」と不思議な縁を感じている様子だった。

一方、本作では畠中演じる土門と、上村演じる揚羽とのエピソードが大きな見どころとなる。そんな第三章について福井総監督が「今振り返ると、最初に思いつくのはカップ麺でしたね」と語るほどに、本作ではカップ麺が大きなキーアイテムとなっている。「アフレコ現場でも、カップ麺のシーンは(上村と)一緒に録ってなかった。でも、(収録時のモニターに)カップ麺が出てきたとき、自然と泣けてきたんですよね」と畠中が語ると、その意見に上村も「物理的にも離れた状態での収録だったので、僕も(畠中)祐くんに気持ちが届いたらいいなと思って演じました」と深くうなずいた。そしてそんなふたりの姿を見た福井総監督も「別々の収録になったことが良い方に作用したなと思いました」としみじみ語った。


「壮大な物語の中で、僕ら(土門と揚羽)はただ、もめているだけ」と笑った畠中は、「ただその自覚はなくて、本当に頭にきてウワーッとやっていたら、音響監督から『若いね』と言われて。これが若さなのかと思いました」とコメント。上村も「お互いの感情を出しあって、感情に忠実なのが若さなのかな」と語ると、畠中が「揚羽はシャイなんですよ。もうちょっと言ってくれればいいのに」と指摘。上村も「不器用なんですよね」と振り返った。


そんなふたりのぶつかり合いについて福井総監督も「SNSでは、何かのオピニオンに色分けされてしまうということがよく起こりうると思います。何か誤解があると(劇中の)ガミラス追放運動とか、そういうことが起きる世の中になってしまう。一方で、どこに真実があるのか、お互い人間なんだから、本当に自分が思うところを信じよう、というのは原作の『ヤマト』のひとつのテーマなので。そこをやったという感じですね」と説明。


そんな中、司会者の吉田尚記アナウンサーの「新見はサーシャのことを可愛がっているけれども、よくよく考えると元カレ(古代 守)の子どもなんですよね」という指摘に会場は大笑い。「複雑ですよね」と語る久川も「『2199』の時も、スターシャ役の井上喜久子さんと収録をしたんですが、いつもなら『お姉ちゃん、こっち!』と声を掛けるんですけど、その時は一緒にいたくなくて。離れていました。役の気持ちとしては仲良くしたくないなと思ったので。彼はスターシャを選んだので、サーシャは元カレが結婚した相手のお嬢さん。新見としてはネガティブな気持ちもあるし、でも任務でもある、という複雑な立場です。だから女性の気持ちとしてサーシャを守っているというところはあると思います。ただ彼女は家庭的というよりは、ビジネスウーマンなので、サーシャをおんぶしている、抱っこしているというのは、一生懸命がんばってるんだろうなと。これは本物の愛情だなと思いました」と述懐。

すると畠中が「新見さんのお母さん姿を見たいと思った人もいるんじゃないでしょうか……正直、新見さんがとてもタイプなんです!」と告白すると会場からは大きな拍手が。アフレコの際も、一緒に収録することはなかったということで「だからドキドキしています。新見さんがドストライクなので……これは京塚(みやこ)には聞かせられない」と語る畠中に、会場も大いに沸いた。

そんな中、藩も「サーシャからみても、ヤマトクルーの中で一番愛情を注いでもらったのが新見さん。元カレの娘の面倒を見てくれるなんて、人間としてもできているなと思いましたし、その愛情を節々から感じてました」と語る。


この日のイベントはいよいよ終盤。最後のメッセージを求められた久川が「ここに立っているのが夢のようだし、サーシャを演じているめぐみちゃんと関わることができて幸せです。二人の行く末を今後も楽しみにしてください」と挨拶すると、藩も「私にとって久川さんは(『美少女戦士セーラームーン』で)水星を司る戦士だったので、ご一緒できて光栄です。こうした縁ってあるんだなと。第三章に『きれいなものは何度でも見るんだよ』というセリフがあって。それが印象的だったんですけど、見えないものを見ようとして見つめた結果、分かち合うことができることがある。土門や揚羽などこれからの人がヤマトをつなげてくれるんだなと思います。ぜひ何度でも見に来てください。見つめた結果、いろんなものが残るといいなと思っています。またお会いしましょう」とコメント。

畠中も「舞台袖で思い出したんですが、第二章が終わった後は絶望的だったなと。第二章がグーンと沈んでいく展開だったから、第三章で人間関係がやっと見えてきたなと。実はここから先のアフレコもすでに録っておりまして。第三章もいろいろありますが、とにかくこの先も情報量がスゴすぎて、自分もどうしようとなっている状況です。第三章からは特に、現代と通じる気持ちや問題に踏み込んでいきます。それも含めて人間ドラマを描くのがヤマトの良さだと思うので。これからも一生懸命向き合っていこうと思いますのでよろしくお願いします」。

上村も「第三章って、どう歩み寄って、手をとって、共生していくかがテーマ。その中でやっと揚羽と土門は、お互いに同じ道を歩み始めます。ある種、ここがスタートラインになったらなと。これから立ち向かうものはかなり大きく、想像を超えるものとなっています。実際自分も台本を読んで。こういう展開になるのか、覚悟しないとなと。そういう強い思いをもってアフレコに挑みました。引き続き第四章も、楽しみにしていただけたら」とコメント。

そして最後に福井総監督が「皆さんに言いたいことを言っていただいた」と語る福井総監督は、「わたしなりの新見さんとサーシャの見方ですが。真田さんがサーシャを預かることになったわけですが、いろんなことに集中して考えたりする中で、たとえば靴下を片方だけ履かせて忘れることもあったかもしれない。それを見ていた新見さんが面倒を見るうちに愛情を注ぐようになったんじゃないかなと思いながら書いていたことを思い出しました。ということで、第四章もよろしくお願いします」と客席にメッセージを送った。

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