NEWS

  • CATEGORY
2025.10.14 SPECIAL REPORT

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女』上映記念舞台挨拶レポート


■日時:10月11日(土) 18:10~18:40(上映後舞台挨拶)
■場所:新宿ピカデリー
■登壇:小野大輔(古代進役)、鳥海浩輔(北野誠也役)、 上村祐翔(揚羽武役)、福井晴敏(総監督)
    中村繪里子(司会/桐生美影役)

 * * *

いよいよ第四章が劇場で上映となり、「折り返し地点まできましたね」と語った小野は「何より観てくださる皆さんが一緒に艦を進めてきてくださったなということで感謝しています。ここまで困難に次ぐ困難で、ずっとつらいところが続いていましたけど、第四章でひとつの山を超えたかなと。そして、波動砲を撃つために必要だったことが“家族の絆”だったことも感慨深いです。やはりこの12年、ヤマトのキャストやスタッフとの絆でここまで進めてきたなという思いがあるので。やはり波動砲を撃つというのは信頼なんだなと思いました」と語ると、福井総監督が「話数的には折り返し地点なんですが、制作内容としては3分の1弱といったところ。これからどんどん大変なことになっていきます」と今後の展開を説明。「(次は「第五章」なのに)計算が合わない!」と驚いた様子の小野も、これからの展開に興味津々であるようだった。


一方、ヤマトシリーズで舞台あいさつに登壇するのは初だという鳥海は客席を見渡しながら、「僕は52歳なんですが、見渡したかぎり人生の先輩が多いようで。歴史ある作品を見続けてきて、今でも応援してくださる方の前で身の引き締まる思いです」とコメント。さらに上村が「第三章での揚羽は、土門とのぶつかり合いがありましたが、和解できたところで第四章に向かうことができました。第四章はたくさんのキャラクターが出てくる群像劇の部分を楽しんでいただけたら」と呼びかけるも、司会を務める桐生美影役の声優・中村繪里子より、本作のキャラクターが90人以上であったことを告げられると、「だから僕、今回はセリフが少なかったのか」と嘆いてみせてドッと湧いた会場内。そんな上村に福井総監督は「新人クルーたちにも今後もうひと山ありますから」とフォロー。その言葉に上村も「よかった」と安堵の表情を見せた。


上村が演じる揚羽だが、福井総監督からは、上村と通じるところがあるキャラクターと言われたことがあったという。その言葉に小野も思わず「上村くんはああいう生意気なキャラなの?」とツッコみ、会場は大笑い。さらに小野が「揚羽って、古代から見ると本当に生意気なんです。しかも面と向かってではなくて、裏で言っているような感じだから」とボヤくと、鳥海が「ずっと古代がウジウジしてるからじゃないの?」と芯をついたコメントを発し、会場からは笑いとともに思わず拍手が鳴り響くひと幕も。


そんな鳥海の言葉に「先輩! キツいな」とツッコむ小野だったが、「そういう意味では北野さんという存在は、僕にとっての鳥海さんとかぶるところがあるんです。少し上の先輩で、現場でも一緒にふざけることもあるし。でもふとした瞬間に、ちょっとしたことでアドバイスをもらったりする方なので。本当にヤマトって自分の人生みたいになっているんです。関わってくる人たちの中には、生意気な後輩もいるし……」と上村をちゃかすと、「生意気じゃないですよ」と慌てて返した上村。その言葉に小野も「上村くん自身はいいヤツなんですけどね」と笑ってみせた。


そんな古代進のことが「気になるキャラクター」だと語る鳥海。「ヤマトシリーズでは、小野大輔がド真ん中のかっこいい芝居をしているというのが新鮮なんですよ。最近はゴリゴリした役が多かったので。ド真ん中の小野大輔を堪能できる作品なんじゃないかなと。そういう意味でも古代さんから目が離せないなと思いますよ」と太鼓判を押した。

また本作では、サーシャの父親のようなポジションになっている古代だが、「なぜサーシャは古代をおじさまと呼ぶのか。今回、大人になったサーシャに出会いましたが、そこでもまだ彼女のことを受け入れられない。僕個人としては、おじさまといわれるのはちょっと距離があるなと思っていて。個人的には“お父さん”と呼んでいいんだよと思っていますが」と語る小野。
「なにより原作がそうだったから」と語る福井総監督。小野も「でも最終的には心が通じ合っていましたから。それは血縁を超えて、仲間なんだなと思って、グッときましたね」としみじみ。

また第四章では土門が波動砲を撃つシーンがあった。「実はあの時、土門役の畠中祐とアフレコスタジオに一緒に入っていたんですけど、『発射!』という言い方がちょっと短かったんです。おこがましいけど、僕も12年撃っているんで。波動砲って、最後の『発射!』の部分にカタルシスがあるんですよ。そういう思いがあって、普段はそういうことは言わないんですけど、テストの後に『(畠中)祐、最後は解き放った方がいいよ』と言ったんです。そうしたら本番では、僕の撃ち方に似ているんですよね。あの時、一緒にアフレコできて良かったなと思うし、あらためて観ても同じ言い方をしているなと思って、うれしかったです」と感慨深い様子でコメント。

そのエピソードを聞いた鳥海も「男なら一度は『発射!』と言いたいからね。もしそういう機会があるなら、僕も小野さんに背中を押してもらいたい」と冗談めかして、会場を沸かせた。

そんなイベントもいよいよ終盤。最後のコメントを求められた上村は「第四章まで、皆さんの応援があってここまでくることができたと実感しています。収録はすでに終わってるんですが、その中でもうひと山、揚羽を含む新人クルーにも試練というか、乗り越えないといけない大きな壁が出てきます。そういうところに思いを込めてお芝居をさせていただいております。いろんな角度でヤマトを楽しんでいただけたら」

続く鳥海も「ヤマトということで、やはり大きい画面で集中して観ていただくのがふさわしいんじゃないかと思います。キャラクターも多くて、1度観ただけでは全ては分からないと思うので、是非何度も観ていただき、第五章につなげていただけたら」。

さらに小野が「舞台あいさつに立つたびにここまできたなという思いで胸がいっぱいになります。でもここからなんですよね。ヤマトはいつも救われたと思ったら、その先に更なる困難が待っています。福井さんがおっしゃるとおり、この先も大きな試練が待ち構えてますけど、この仲間たちとならまだ旅ができるなということを実感しました。上村くんは後輩、鳥海さんが先輩になるんですが、他の現場でもよく一緒になっていて。劇中に重なるように、頼りになるなという感覚が増してきています。そう思うキャストが『3199』に入ってきてくれて、それが本当にうれしくて。いいキャスティングですよね……。共演するキャストの皆さんからすごくいろんなものをいただいます。僕の役者人生はヤマトに集約されているんです。自分の人生をヤマトにささげる覚悟ができています。それは僕ひとりの決意ではなく。かかわってくれるキャスト、スタッフ皆さんの覚悟だと思います。この艦のクルーなら最後まで必ず希望の未来にたどりつける。あとは皆さんというクルーです。ここから一緒の未来に旅立っていただけたらうれしいなと思っております」と呼びかけると会場からは大きな拍手が。

そして最後に福井総監督が「第四章にはこの先の様々な伏線が張り巡らせています。Blu-rayで中身を持って帰ることもできますんで。ぜひお買い求めください」とアピールし、イベントを締めくくった。

頁上へ