■日時:6月28日(日) 舞台挨拶 12:55~13:25 ※上映後舞台挨拶
■場所:新宿ピカデリー
■登壇者:小野大輔(古代 進役)、潘めぐみ(サーシャ役)、古川 慎(アルフォン役)、福井晴敏(総監督)、中村繪里子(桐生美影役/進行)
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劇場は大勢の観客で熱気あふれる空間。そんな観客の前に立った小野は「今回は第六章とは思えないほど、いろいろなことが起こって、いろいろな人がそれぞれの場所で思いを持って行動しています。これまでは争いや不調和が描かれてきましたが、今章は一転して、人のつながりを描いています。たくさんの人に見ていただきたいですが、特に家族で見ていただきたいなと思っていて、今朝、LINEで母に『第六章を見てね』と送っておきました」と語り、会場を沸かせると、「今の時代に即した、人とのつながりを感じる作品だと思っております」と力強く観客に呼びかけた。
第六章では、山南艦長の代打という形で、久しぶりにヤマトの艦長席に座ることとなった古代。その状況について質問された小野は、古代がこれまでよりも落ち着いていて、若者たちのことを見守りながら俯瞰(ふかん)で見ることができるようになった、と感慨深げな様子。「そして何より若者たちが元気すぎる……特に土門が」と笑いながらも、「僕自身、役者としての立場も中堅にさしかかって。ベテランの方もいらっしゃれば、自分の下にも後輩がたくさんいるという状況になった。今の自分だからこそできることをしよう、という思いで臨んでいました」と語るなど、古代の状況と、自身のキャリアを重ね合わせている様子だった。
本シリーズを通じて、古代と、姪のサーシャとの関係は大きな軸となる。「第二章の頃を思い返すと、なぜ古代は肉親であるサーシャのことを温かく迎えてあげられなかったのか、抱き締めてあげられなかったのかと、福井さんに問い詰めたことがあるんですよ」と振り返った小野に対して、福井総監督は「あそこでギュッと抱きしめてしまったらもう離れられなくなってしまうと思うんです。あの時の古代は、雪を失ったこともあって、頭の中がゴチャゴチャしている状態だから。サーシャの分まで責任を負えない、という葛藤があった。だからこそ、一歩引いてしまったんじゃないか」と古代の痛切な心理を説明してみせた。
一方、サーシャを演じた潘は、実の母である潘恵子が声を担当したマザー・デザリアムと対峙(たいじ)した場面について、「マザー・デザリアムとのシーンで『家族はそんなこと言わない!』というセリフがあって。それはやはりおじさま(古代)の言葉や思いを受けたから出せた言葉だと感じます。それを乗り越えられたのはおじさまとの積み重ね、ヤマトの皆さんとの積み重ねがあったからだなと。やっと古代とサーシャの思いが同じ高さのところまで来た、同じ関係性のところまで結びつけたのかなと感じました」と振り返った。
そしてそれを聞いた小野が「『家族はそんなこと言わない!』ってセリフをお家でも言ったことある?」と潘に問いかけると、「セリフではじめて言えたんです」と返答し、ドッと沸いた会場内。「だからそのつらさはちょっとありましたね。これを言っちゃうんだと思って。わたしは反抗期がなかったので、髪を染めたことが唯一の反抗期ぐらいに思われているんですけど、その時に母から『あんた、役者の印象をそんなに変えるもんじゃありません!』と言われたんです。その話をさっき、小野さんにしたら『家族はそんなこと言わない!』って言い返せば良かったのにと言われて……今後、それを生かせるところがあったら使いたいと思います」と決意のコメントを発してみせて、会場を笑わせた。
そしてあらためてサーシャとマザー・デザリアムとの対峙(たいじ)シーンについて「あそこはすごかったですよね」と振り返った小野は、「マザーとのやり取りで、声が重なっていくところがあって。語尾の艶っぽさとか、艶っぽいからこそ、逆にちょっとゾクッとする感じとかが、潘ちゃんの声から感じられて。ウワーッと思っていたら、(劇中の演出で)恵子さんの声になる。あそこはシビれましたね」と称賛すると、潘も「恐縮です」と照れくさそうにしていた。
一方、デザリアムに属しながら、雪に特別な感情を抱き、行動を共にしてきた、アルフォン。第六章では、雪の本当の気持ちを知ってしまう、という切ないシーンがあったが、司会の中村から「あそこでどんな思いでした?」とストレートに質問され、会場は大笑い。これには古川も「逆に聞きますが、どんな気持ちだったと思います?」と逆質問を投げかけ、またも会場は笑いに包まれた。そこに「聞きたい!」と無邪気に尋ねた小野だったが、「あなた(古代)がそれを言うのか! 負けを認めろと?」と激昂する古川。その様子に笑いが止まらない様子の小野は「本当に古川くんってヤマトが好きだよね。ファンとして楽しんでいるもんね」としみじみ。
さらにアフレコ時を振り返り、「あの時は、アフレコの前に福井さんから(雪の気持ちを)“明確に”言われて……(なんとか自分を納得させようと)あぁ、という感じでしたが……(古代が)一歩リードなのかな……」と語る古川に、まんざらでもない様子の小野だったが、「ただ僕も、雪と離れていたので、雪の心がどこにあるのか、確認できないわけじゃないですか。ただすごくグッときたのは、(古代は)異星人とだってわかり合える、とこれまでずっと信じ続けてきたわけですが、雪が語ってくれた言葉が、古代君だったらこうすると。だから私もこうしてアルフォンのそばにいるんだ、ということで。それでもう全てが報われたような気がして。めちゃくちゃうれしかったよ、古川くん!」とウキウキした様子で古川に語りかける小野の姿に、会場は大盛り上がりとなった。
そんなふたりのやり取りを聞いていた潘が「なんだかアルフォンさんとサーシャって分かり合えそうだなと思いました。想い人に対して、報われなさそうな感じが。もう(答えは)分かっているんだけど、思っていたいというか、思わせてくれ、というか。今、一緒にいるのは私、って思わせてほしい、みたいな感じがありますよね」と複雑な心境を指摘してみせると、会場全体が深く共感している様子だった。
そんなイベントもいよいよ終盤、最後のコメントを求められた潘が「今回の第六章は、特に愛する人、守るべき人たちのために、皆がそれぞれの選択をするシーンがあったと思うんです。ですからずっと紡がれてきた家族であり、仲間であるというその愛情を、クライマックスに向けて皆さんも高めていただけたら、きっとそれ以上のものが第七章で、皆さんのもとに返ってくると思います」とその思いを言葉に込めると、古川も「潘さんの言葉とも重なりますが、大事なものというのがそれぞれのキャラクターにあると思うんです。その大事なもののために命を懸けて戦うとか、あるいは状況を静観するとか、流れに身を任せるとか。いろいろな人たちの大事なものに対する関わり方、生き方が、ものすごく克明に描かれた第六章だと思っております。その中で、アルフォンという人間は、大事なものとは一体何なんだろう? と迷っている状態でもあります。今まで信じてきたものが信じられなくなってしまった。じゃあ、これからは何のために……というようなことが第七章ではきっと描かれていくんじゃないかなと思います。続く第七章は、本当に大きな衝撃が来ますので、それに備えていただけたら」とメッセージ。
そして小野が「劇場に立つと、いつもヤマトの艦橋のように感じます。“ヤマトおじさん”が一番多いと思いますが、僕と同じぐらいの世代の方も、さらに、若いヤマトガール、ヤマトボーイたちもたくさんいらっしゃるな、というのが今、この場から見ても分かるんです。そしてこの人たち、みんながヤマトのクルーなんだなということを改めて実感して、それが本当にうれしいんです」とコメント。
さらに「第六章は、本当に家族、人と人との絆を前面に描いていますが、第七章に向けて進むにあたり、この第六章があるからこそ、僕らは一丸となって未来に行ける、そんな内容になっていると思います。それは希望ある未来です。この作品をぜひいろんな人に広めていただいて、愛を高めてください。そして第七章、最終章に向かっていただきたいなと思います」と力強いメッセージを送った。


