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2026.10.05 SPECIAL REPORT

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第七章 虹色の輪廻』
完成披露舞台挨拶レポート

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第七章 虹色の輪廻』完成披露舞台挨拶

■日時:10月2日(金)
■場所:新宿ピカデリー シアター1       
■登壇:潘めぐみ(サーシャ役)、潘 恵子(マザー・デザリアム役)、江口拓也(ランベル役)
    福井晴敏(総監督)、ヤマトナオミチ(監督)、中村繪里子(桐生美影役/進行)

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本編上映直後は、心揺さぶられる衝撃と感動の余韻に浸っている様子の客席だったが、司会進行を務める桐生美影役の声優・中村繪里子が会場に登壇者を呼び込むと、客席からは堰を切ったように万雷の拍手が鳴り響いた。 


そんな客席の様子を目の当たりにした江口が「まさに今観られた皆さまの気持ち、情熱、波動を感じながらいろいろとお話しさせていただきたいです」と口火を切ると、1980年に本作の原作となる映画『ヤマトよ永遠に』でサーシャを演じた潘恵子も「今日はお久しぶりの方もいらっしゃると思いますが、楽しくお話しできたら」と笑顔であいさつ。さらに潘めぐみが「ヤマトのおじさま、そしておばさま、こんばんは。最終章いかがでしたか?」と客席に呼びかけると、「皆さまのお顔と拍手を浴びて、なんだか帰ってきたような気持ちです。今日は母(潘恵子)もおりますが、よろしくお願いいたします」と語り、会場を沸かせた。 


さらにヤマト監督が「なんとか皆さんに見てもらえるような状態に持ってこられて、本当にホッとしています。」と安堵の表情を見せるも、一方でこの日はお馴染みの法被姿ではなく、Tシャツ姿の福井晴敏総監督は「今日は法被を着る気分ではなかったので、法被を着ずにやってきました」と神妙な面持ち。その理由として、作品に深くのめり込みすぎたため客観的な評価が分からなくなり、観客の反応を見るまで不安で仕方がなかったためだったことを明かすが、客席の熱い拍手と熱気を肌で感じて「皆さんがちゃんと受け止めてくださったことが分かり今、心底ホッとしています。今日は眠れます」と安堵の表情を見せた。 


本シリーズで重要な鍵を握る人工知能「マザー・デザリアム」を演じた潘恵子だが、実はオファー当初は出演を固辞していたという。「お話をいただいたのは4年ほど前でした。私たちも芸歴が半世紀近くになってまいりますので、明日何が起きるか分からない。役に対してずっと責任を持っていかなければならないので、お断りしていたんです」とその理由について明かすが、そこで福井総監督からメールで改めて出演オファーがあったという。 

潘恵子は、「若い方たちと一緒にやるのは難しいかもしれないんです、とお伝えしたら、『大丈夫です、コンピューター(AI)の役ですから』と。アテレコで(映像の口の動きに)合わせる必要もないから大丈夫と説得されて。さらに『わたし3行以上しゃべれません』と言ったんですけど、届いた台本はきっちりと3行ずつきれいに切られていて。確かに3行というのは守ってくださったんですが、それが延々と続いていたんで『だまされちゃったかな?』と思いました」とユーモアたっぷりに振り返る。そしてあらためて「でも本当に大切な役で、人類の未来を見つめてもらうきっかけになるキャラクター。約50年近くたって、こうやって皆さまにお会いできましたし、これも福井さんのおかげです」と深い感謝の思いを述べた。 


実の母娘である潘恵子と潘めぐみが、劇中で“マザー”と“サーシャ”として対峙した親子共演も本作の大きな見どころとなるが、福井総監督は「おふたりにお声がけした時から、2人で声を合わせたり、親子げんかをしてもらう構想は決まっていました」と語るも、「この収録を終えた後、家に帰って気まずくなかった? と聞いたら、『意外とあれをやった後の方が親子関係がスムーズになった』と言われたんです」と明かすと、潘めぐみも「私自身、反抗期があまりなかったので、人類と星の命運をかけた親子げんかをさせていただけました」と続け、会場を沸かせた。

さらにトークでは劇中でサーシャとマザーの声が重なり合う“シンクロシーン”の収録秘話を披露。前章では母・潘恵子の声を先に収録し、その声に後から潘めぐみが合わせたが、今章では潘めぐみが先に収録し、その音声に恵子が声を重ねるアプローチが取られた。 

潘恵子は「私は先に聞いて、そのまま喋っただけですよ」と自然体を強調するも、潘めぐみは「私はものすごく考えました。やはり日常的にも、作品を通してもずっと聞いてきた声なので。母の話す速度やちょっとした癖は分かっているので、合わせにいくというよりは身体に染みついているものがあるなと思いました」と母娘ならではの調和が生み出されたことを明かす。 


一方、デザリアム陣営の中で異彩を放つキャラクター・ランベルを演じた江口は、最終章での活躍について「完成した映像を観て、自分の使命を見つけて突撃していく姿は、自分でも痺れました」と胸を張ると、ランベルという存在について「(周囲が)システムに忠実であるべき存在の中で、ランベルは最初からバグに近い反抗的な要素を持っていて。本来なら排除されるはずの彼がいたからこそ、何かを変える要素になったところが面白い」と熱く語った。 

また、江口にとって潘恵子は声優養成所時代の恩師にあたる。「何者でもなかった頃からお世話になっている師匠なので、同じステージに立っていること自体が感慨深いです」と敬意を表すも、潘恵子は「アフレコ現場に江口くんが短パンとサンダルという、まるで寝起きのような格好で来たんですよ! あなたそんな格好して!って言っちゃいました」と師弟ならではのほほ笑ましいやり取りを明かし、会場は大きな笑いに包まれた。 

本作では、原作の主題歌である布施明の「愛よその日まで」が劇中歌として使用されている。福井総監督も「『ヤマトよ永遠に』をリメイクするにあたって、この曲なくしてはあり得ないと思っていました」とその思いを語ると、「僕自身がこの曲が好きだったとういうのもありますが、4〜5年くらいたって完成した今、改めて聴くと非常に心に迫るものがあります。『あなたは誰かを愛していますか?近くにいる人ですか?』っていう歌詞ですが、今は近くにいる人に声をかけてもらえることってなかなかないじゃないですか。SNSで、会ったこともない人の声を聞いて、自分の考えが変わっちゃったなんて話もよく聞くし。だからこそ原点に立ち返って『近くにいる人の声や顔に目を向けよう』というメッセージが、今の時代の空気にバチッとはまったなと思います」と熱く語りかけた。


印象に残ったシーンの話題になると、ヤマト監督は、劇中に登場するデザリアムの群衆描写について言及。「設定としてはモブのキャラクターなのですが、その真ん中にいる“名もなき親子”を意図して何度も画面に登場させました。あそこは象徴的な存在として、観ている人のひとつの視点となったのではないかなと思います」と細部までこだわり抜いた演出意図を語った。

福井総監督は古代進と森雪、そして前章で思いがかなわなかったことが明らかとなったアルフォンとの三角関係をベースとしたシーンを挙げ、「最後にアルフォンが雪に向かって心の中で思いを告げるシーンがあるんですけど、そこのセリフを思いついた時に『勝てる!』と思いました。ここまできて今後、地球に帰った後、古代がまだ結婚するかどうか、グダグダしてたら本当にダメですよ」と古代をバッサリと切ると会場も大盛り上がり。

そんな古代の煮え切らない態度には潘めぐみも言いたいことがあったようで、「わたしはアルフォンさんとサーシャって通じるものがあるなと思っているんです。お互いの思いがかなわないというのもあるんですけど、だからこそあのシーンに思うところがありました。辛抱強くないと、おじさま(古代進)の相手は務まらない」と語ると、潘恵子も「雪ちゃんは見る目がない、アルフォンはすてき」とたたみかけ、会場を笑いに包み込んだ。

そんな大盛り上がりの舞台あいさつもいよいよ終わりの時間に。まずは江口から「自分自身もこのヤマトという作品の歴史の一部になれたことをうれしく思いますし、フィルムを見させていただいて、まさに永遠に残るメッセージを感じました。自分が機械であろうが人間であろうが、感じたものがすべてなんだというところを、作品を通して感じていただけたら本当にうれしいです」と語ると、潘恵子も「世の中で、AIの暴走を人間が規制できるかどうかの岐路に立つ今、まさにタイムリーな作品です。どうぞご家族や大切な人と一緒にこの作品を観ていただいて。皆さんで集まって、人間の行く末、未来についていろいろと語り合ってください」とメッセージ。

潘めぐみも「きっとヤマトのおじさま、おばさまたちは今日という日を迎えられることを心待ちにしていたんじゃないかなと思うんです。ある種のふるさとですよね。50年という歳月、ヤマトは愛する者のために突き進んできました。それってすごく尊ぶべきことだと思うんです。それはやはり心があるからこそ、人は分かり合える。心は波動ですので、この思いをどうか波動のように伝えていただいて。上映期間だけでなく、この作品が未来永劫(えいごう)残っていくよう、皆さんに託します。ヤマトは“永遠”なので、愛を広めていってください」 と呼びかける。


そしてヤマト監督も「最初にごあいさつした通り、本当にここまでやってこれるとは思えなかった。なんとか必死になってたどりつきました。最後の最後まで楽しんでいただきたいです」 とメッセージ。福井総監督も「ここまでこれて本当に良かったなと思っております。ありがとうございます」と感謝の思いを述べ、大盛況のうちにイベントは幕を下ろした。
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